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生後6ヶ月の赤ちゃんの姿勢
生後6ヶ月の赤ちゃんは6ヶ月健診を受けます。
6ヶ月健診では、医師が赤ちゃんに以下の姿勢をとらせて体勢や動きを確認し、運動機能の発達に異常がないかチェックします。
- 背臥位(仰向け)
- 腹臥位(うつ伏せ)
- 座位(お座り)
- 立位(立つ)
以下、生後6ヶ月の赤ちゃんが各姿勢をとったときに見せる標準的な体勢や動きを解説します。
なお、6ヶ月健診を実施していない地域に住んでいる場合は、家庭において赤ちゃんの運動機能の発達を確認することも可能です。
背臥位(仰向け)
生後6ヶ月の赤ちゃんは、多くの原始反射が消失し、左右非対称な動きをしたり寝返りを覚えたりして多彩な動きを見せます。
原子反射の多くが消失する
赤ちゃんは、運動機能などが未熟な状態で出生し、生まれつき備わっている原始反射による反応によって、母乳やミルクを飲むなどを行います。
しかし、月齢を経るにつれて高次の脳が発達して原始反射が抑制され、自分の意思による行動や反応が増加していくことが分かっており、生後6ヶ月頃には主な原子反射がほぼ消失します。
生後6ヶ月頃までに消失する主な原始反射は、以下のとおりです。
- 引き起こし反射
- 哺乳反射(探索反射、捕捉反射、吸啜反射、嚥下反射)
- 押出し反射
- モロー反射
- 非対称性緊張性頸反射
- 手の把握反射
- ギャラン反射
- 歩行反射など
右手で左足を掴む
生後5ヶ月頃までは、両手で両膝を触ったり両足を掴んだりするなど、左右対称の動きが多く見られます。
生後6ヶ月頃になると、右手で左足を掴んだり左手で右膝を触ったりするなど、左右対称でない動きが増え、その姿勢を保つこともできるようになります。
寝返りを覚える
生後6ヶ月頃になると、自分の意思で仰向けの状態からうつ伏せの状態になることができる赤ちゃんが増えます。
寝返りのやり方は、赤ちゃんによって差がありますが、偶然ではなく自分の意思で寝返りができるようになるのが特徴です。
ただし、赤ちゃんの運動機能の発達は個人差が大きいため、生後6ヶ月で寝返りを始めないからといって、異常があるとは限りません。
腹臥位(うつ伏せ)
生後6ヶ月の赤ちゃんは、うつ伏せの状態でも自発的に身体を動かして遊びます。
方向転換を覚える
赤ちゃんは、生後5ヶ月頃に、手の平を床につけて腕を伸ばして身体を起こす姿勢や、飛行機のポーズ(顔を上げ、両腕を横に伸ばし、両足の膝から下を持ち上げる姿勢)を覚えます。
生後6ヶ月頃には、身体を起こした状態で手をつく位置を動かしたり、飛行機のポーズを繰り返して、身体の向きを変えるようになります。
前に進むこともある
身体の方向転換を繰り返すうちに、ズリバイで少し前に進むこともあります。
手が届く範囲の少し外に赤ちゃんの好きなおもちゃを置いておくと、何とか掴もうと手を伸ばしたり、ズリバイにチャレンジしたりしやすいものです。
ただし、腕と足を連動させる動きには慣れていないため、その場で手足を動かすだけになったり、後ろに下がったりすることも珍しくありません。
座位(お座り)
生後6か月頃には、お座りの姿勢を維持できる赤ちゃんが増えていきます。
お座りの姿勢を維持する
お座り姿勢の赤ちゃんの身体を前に傾けると、両手を床についてバランスをとり、お座りの姿勢を維持しようとします。
また、お座り姿勢で頭を左右に振り、お座りしたまま重心を移動させる方法を覚えていきます。
ただし、左右を振り向いたり、周囲の刺激に驚いたりしてバランスを崩すことが多いため、お座りさせているときは常に見守ってあげる必要があります。
立位(立つ)
生後6ヶ月頃の赤ちゃんを立たせる場合、両脇を支えて身体を持ち上げ、立たせた後は両腕や両手を持つようにします。
短時間なら、両足で立って身体を支える
生後6ヶ月頃の赤ちゃんは、短い時間であれば、立った状態で身体を支えていられるようになります。
立った状態ではバランスが維持できず、大人が支えてあげる必要はありますが、生後5ヶ月頃までのように両脇を支えるのではなく、両腕や両手を支えているだけでも数秒間は立っていられます。
足で床を蹴る
立った状態で、片足で床を蹴ってみることもあります。
ダンダンと音がすると、嬉しくなって何度も蹴ることもありますが、バランスを崩して転ぶ危険も高くなるため、見守りは必要です。
まとめ
赤ちゃんの運動発達は、背臥位(仰向け)、腹臥位(うつ伏せ)、座位(お座り)、立位(立つ)をとらせて確認
- 原子反射の多くが消失する
- 右手で左足を掴む
- 寝返りを覚える(自分の意思で寝返りができるようになる)
- 方向転換を覚える
- 前に進むこともある
- お座りの姿勢を維持する
- 短時間なら、両足で立って身体を支えていられる
- 足で床を蹴る