バビンスキー反射|原始反射

バビンスキー反射

バビンスキー反射とは

バビンスキー反射とは、針や鉛筆の先など尖った物で、赤ちゃんの足の裏の外側を踵(かかと)からつま先に向けてこすると、足の親指が足の甲側に曲がり、他の4本の指が外側に開く原始反射です。

英語では「babinski reflex」と表記し、日本語では「バビンスキー反射」の他、「バビンスキー現象「や「バビンスキー徴候」と訳されます。

名前の由来は、この反射を発見したフランスの医師バビンスキー,J.のラストネームです。

バビンスキー反射は、生後2歳未満までは多くの子どもに見られますが、その後は、足の指が足底に曲がるようになったり、反射による反応が消失したりします。

生後2歳以降も反射が残る場合、病的反射とされます。

病的反射とは

病的反射とは、健常な人には出現しない異常な反射です。

中枢側にある上位運動神経細胞が障害されることで、下位運動神経細胞への抑制が消失することにより、正常は出現しない反射(病的反射)が出現するのです。

ただし、中枢神経系の発達が未熟な乳幼児期には健常な場合でも出現し、ある時期までに自然消失します。

バビンスキー反射の場合、生後2歳以降に見られた場合に病的反射とされます。

バビンスキー反射以外の主な病的反射は、以下のとおりです。

  • ホフマン反射
  • チャドック反射
  • トレムナー反射
  • ワルテンベルク反射
  • 口とがらし反射
  • 強制手探り反射
  • ロッソリーモ反射
  • マリーフォア反射

バビンスキー反射と足底反射

バビンスキー反射は、同じく足底の反応が起こる新生児プランター反射とともに足底反射と呼ばれます。

新生児プランター反射とは、指などで赤ちゃんの足の内側を刺激すると、触れた物を掴もうとするように5本の足の指(つま先)が曲がる、または内側に巻いたようになる原始反射です。

引用:新生児プランター反射(足底把握反射)|原始反射|psycho-lo

バビンスキー反射では「足の指が外側に開く」反応が起こるのに対して、新生児プランター反射では「足の指が内側に曲がる」反応が見られるという違いがあります。

バビンスキー反射、新生児プランター反射、足底反射を混同したり、意味を取り違えたりして紹介するサイトがあるため、注意が必要です。

原始反射とは

原始反射とは、脳幹や脊髄に反射中枢を持つ、胎児期から乳児期にかけて見られる反射です。

引用:原始反射|psycho-lo

原始反射の役割

原始反射の主な役割は、赤ちゃんの生命の維持と発達の促進だと考えられています。

生命維持 未熟な状態で出生した赤ちゃんが、外界に適応して生き抜くためのサポートを行う
発達促進 反応が継続的に起こることにより、赤ちゃんの意思による行動の出現を刺激する

指標としての原始反射

原始反射は、出生直後から出現し、一定の時期に消失します。

そのため、神経学的障害を確認するための指標とされており、乳幼児健診や母子手帳の質問項目に含まれています。

乳幼児健診では、以下のような異常の有無を確認します。

  • ある月齢で起こるべき反射がない
  • 消失すべき月齢で残っている
  • 反応の左右差が常にある
  • 一度は消失した反射が再び出現する

バビンスキー反射の出現時期と消失時期

バビンスキー反射の出現時期は、以下のとおりです。

  • 出現時期:出生後
  • 消失時期:生後1~2歳(健常な場合)

バビンスキー反射は、在胎28週頃に出現しており、出生直後から確認することができます。

生後2歳以降まで残ると病的反射ですが、生後2歳未満であれば健常な赤ちゃんでも見られます。

バビンスキー反射の確認方法

バビンスキー反射は、以下の方法で確認することができます。

  1. 赤ちゃんを仰向けに寝かせる
  2. 尖った物で、赤ちゃんの足の裏の外側を踵(かかと)からつま先へ向けてこする

赤ちゃんの親指が足の甲側に曲がり、他の4本の指が外側に開けば反射が残っており、反応がなければ消失したと考えられます。

バビンスキー反射の異常

バビンスキー反射が生後2歳以降も残る場合、主に錐体路障害が疑われます。

錐体路障害とは、人が自分の意思で行う運動(随意運動)を司る神経路(錐体路)が、何らかの原因で寸断されることで生じる障害です。

主な症状は、バビンスキー反射の出現、皮膚反射の減衰や消失、障害された錐体路と反対側に生じる運動障害、麻痺症状、腱反射、筋緊張の亢進などです。

通常は、錐体路が障害された部位とは反対側に症状が起こります。

MEMO
錐体路:中神経系が司る、大脳皮質から延髄の錐体を通って抹消へ続く神経路で、手指を使う巧緻運動などの随意運動を行うための信号を伝える役割を果たす。

バビンスキー反射が残ると、日常生活を送る上で以下のような支障が生じます。

  • 立つ、歩く、走る動作がぎこちない(やりづらさを感じる)
  • バランスを崩して転びやすい
  • 靴や靴下を履くのが苦手で吐きたがらない
  • 足を使うスポーツが苦手
  • 捻挫をしやすい
  • 姿勢が悪い

まとめ

バビンスキー反射とは

尖った物で、赤ちゃんの足の裏の外側をこすると、親指が足の甲側に曲がり、他の4指が外側に開く原始反射

バビンスキー反射の出現時期と消失時期
  • 出現時期:出生後
  • 消失時期:生後1~2歳(健常な場合)

【確認方法】

  1. 赤ちゃんを仰向けに寝かせる
  2. 尖った物で、赤ちゃんの足の裏の外側を踵(かかと)からつま先へ向けてこする
バビンスキー反射の異常

バビンスキー反射が生後2歳以降も残る:主に錐体路障害が疑われる

【参考】

  • 人間脳を育てる 動きの発達&原始反射の成長|灰谷孝著|花風社

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