バブキン反射|原始反射

バブキン反射

バブキン反射とは

バブキン反射とは、赤ちゃんの両手の平を押すと、口を開けて頭を前または横へ突き出す反応が起こる原始反射です。

生まれたばかりの赤ちゃんは、口を開ける、首を曲げる、頭を回転させるなどの動きを自力で行うことができません。

しかし、両手の平を押すという刺激に対する反応として、一連の動きが自動的に起こるのです。

英語では「Babkin reflex」と表記され、日本語ではバブキン反射と訳されます。

名称の由来は、反射を発見したロシアの神経学者バブキン,B.のラストネームです。

バブキン反射は、健常な赤ちゃんよりも、未熟児(低出生体重児など)の方が反応が敏感な傾向があるとされています。

原始反射とは

原始反射とは、脳幹や脊髄に反射中枢を持つ、胎児期から乳児期にかけて見られる反射です。

引用:原始反射|psycho-lo

モロー反射、手の把握反射、ギャラン反射などが有名ですが、他にも多くの原始反射が確認されています。

以前は、ポルトマン,A.が「生理的早産」と表現したように、生まれたばかりの赤ちゃんは弱くて無力な存在だと考えられていました。

しかしその後、生まれつき五感が発達していることや原始反射が備わっていることなど、赤ちゃんの有能さが次々に明らかにされています。

MEMO

生理的早産:ポルトマンが、生まれたばかりの人の赤ちゃんの状態について、他の離巣性の哺乳類と比較して未熟であることを表現するために用いた心理学用語

原始反射の役割

原始反射には、生命維持と発達促進という2つの役割があります。

生命維持 生まれたばかりの赤ちゃんが、未熟な状態で外界に適応するのをサポートする
発達促進 原始反射による反応の繰り返しにより、赤ちゃんの随意運動の出現を刺激する

いずれも赤ちゃんの健全な発達に欠かせないものであり、原始反射が正常に備わっているか否かは、その後の発達に大きな影響を及ぼします。

指標としての原始反射

原始反射は、健常な赤ちゃんに出現する正常反射です。

出生直後から出現し、ある時期になると自然消失する特徴があり、神経学的障害を確認する指標とされています。

乳幼児健診では、主に以下の異常を確認します。

  • ある月齢で起こるべき反射がない
  • 消失すべき月齢で残っている
  • 反応の左右差が常にある
  • 一度は消失した反射が再び出現する

バブキン反射の出現時期と消失時期

バブキン反射の出現時期と消失時期は、以下のとおりです。

出現時期:出生後

消失時期:生後3~4ヶ月

バブキン反射は、在胎26週頃に獲得されており、生まれたばかりの頃から確認することができます。

消失時期については、生後1週間前後で消失するという説と、生後3ヶ月頃まで残るという説がありますが、近年は後者が有力です。

なお、健常なグループと脳性麻痺や精神発達遅滞のあるグループのバブキン反射の残る期間を比較した実験では、後者の方がより長く反射が残る結果が得られています。

そのため、一定の限界を踏まえた上で、中枢神経系の早期診断にバブキン反射が活用されることがあります。

バブキン反射の確認方法

バブキン反射の確認方法は、以下のとおりです。

  1. 赤ちゃんを仰向けに寝かせる
  2. 赤ちゃんの両手の平を強めに押す

手のひらを押したときに、赤ちゃんが口を開けて頭を前または横へ突き出せば反射が残っており、そうした反応がなければ消失していると考えます。

抱っこした状態でも反射は起こりますが、誤って転落させるおそれがあるため、基本的には仰向けに寝かせます。

また、赤ちゃんの両手の平を押す力は、普段よりも少し強めを意識する程度です。

強く押しすぎると、赤ちゃんが痛みを感じて泣き出すため、注意してください。

なお、近年はSNSなどでバブキン反射に関する投稿が増え、「我が子の反射も確認してみたい。」という人が増加しています。

バブキン反射は、原始反射の中では比較的簡単かつ安全に反射を起こすことができますが、反射が起こる期間の大半は首すわり完成前なので、安全面の配慮は欠かせません。

バブキン反射の異常

バブキン反射を含む原始反射は、脳(中枢神経系)などの発達に伴って働きが抑制され、意思に基づく行動(随意運動)が増えていきます。

そのため、バブキン反射が「出現しない」、「標準的な時期より早く消失する」、「消失しない(統合されない)場合、脳性麻痺など中枢神経系の病気や障害を疑います。

また、バブキン反射が消失せずに残った場合、成長に伴って以下のような症状が生じます。

  • 手を動かした時に口と舌が不随意(意思とは関係なく)動く
  • 字がうまく書けない
  • 発語や発音に課題が残るなど

まとめ

バブキン反射とは

両手の平を押すと、赤ちゃんが口を開けて頭を前または横へ突き出す原始反射

  • 原始反射:脳幹や脊髄に反射中枢を持つ、胎児期から乳児期にかけて見られる反射
バブキン反射の出現時期と消失時期
  • 出現時期:出生後
  • 消失時期:生後3~4ヶ月

【確認方法】

  1. 赤ちゃんを仰向けに寝かせる
  2. 赤ちゃんの両手の平を強めに押す
バブキン反射の異常

「出現しない」、「標準的な時期より早く消失する」、「消失しない(統合されない)場合:脳性麻痺など中枢神経系の病気や障害の可能性

【参考】

  • Babkin反射の診断的意義について|二木 康之、安部 治郎、田中 順子、岡本 伸彦|脳と発達(19巻 5 号)

 

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