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反響言語(エコラリア)とは?自閉症に多い?定型発達でも見られる?対応は?

反響言語 エコラリア

反響言語、エコラリアとは(意味)

反響言語(エコラリア)とは、他人が話した言葉をそのまま繰り返して発声することです。

例えば、「ミカンとバナナ、どっちが欲しい?」という質問に対して、「どっちが欲しい?」と回答するのが反響言語です。

反響言語(エコラリア)は、言語獲得前後の自閉症スペクトラム障害(広汎性発達障害)の子どもに見られることが多い症状で、他の発達障害の子どもに見られることがあります。

オウムが人の話した言葉を繰り返すところから「オウム返し」と呼ばれる他、「エコラリア(echolalia)」(ギリシャ語で「繰り返し話す」という意味)とも呼ばれます。

この記事の本文中は、反響言語(エコラリア、オウム返し)を「反響言語(エコラリア)」で統一して記載します。

反響言語(エコラリア)はコミュニケーションか

反響言語(エコラリア)は、以前は「他人が話した言葉の「意味のない反復」」とされていました。

しかし、近年、反響言語(エコラリア)にはコミュニケーション機能が備わっており、自閉症の子どもにとっては、言語発達の通過点だと考えられるようになっています。

例えば、「ミカンとバナナ、どっちが欲しい?」という質問に、子どもが「どっちが欲しい?」と答えた場合、「どっちが欲しい?」の意味が理解できず、「「どっちが欲しい?」ってどういう意味?」と質問していると解釈することができます。

ただし、推測の域を出るものではなく、単純にオウム返ししているだけの可能性もあれば、子どもが独自の意味合いを込めている可能性も否定できないため、議論が続いています。

反響言語(エコラリア)を起こす障害や病気

乳幼児期の赤ちゃんが反響言語(エコラリア)を発する原因となる障害や病気は、以下のとおりです。

  • 発達障害(自閉症スペクトラム障害など)
  • トゥレット症候群(障害)
  • 失語症
  • 脳障害

上記以外では、視覚障害の子どもにも反響言語(エコラリア)が出現することがあります。

なお、子どもの意思とは無関係に繰り返し現れる場合、チック症状を疑います。

大人の場合、統合失調症や認知症(アルツハイマー型)が原因で出現することが報告されています。

反響言語(エコラリア)の種類

反響言語は、即時性反響言語(即時性エコラリア)と遅延性反響言語(遅延性エコラリア)の2つに分類されます。

即時性反響言語(即時性エコラリア)

即時性反響言語(即時性エコラリア)とは、他人の言葉を聞いてすぐオウム返しする(音声刺激の提示後すぐに表出される)反響言語(エコラリア)です。

例えば、「おやつを食べたいの?」という質問を聞くと、すぐに「おやつが食べたいの?」とすぐオウム返しするのが即時性反響言語(即時性エコラリア)です。

イントネーションや抑揚などを全て真似するのが特徴です。

即時性反響言語(即時性エコラリア)は、7つに分類されます。

  1. 発話順番型:相手と会話する順番を維持するために発する(会話の意味は分かっていない)
  2. 叙述表現型:行動、物、場所を示すために発する(身振り手振りを伴うことがある)
  3. 肯定表現型:相手の言葉に肯定の意を示すために発する
  4. 要求表現型:相手に何かを要求するために発する
  5. 焦点不定型:つぶやくように小さい声で発する
  6. 自己統制型:少し小さい声で発し、会話や行動のタイミングをはかる
  7. リハーサル型:少し小さい声で発し、自分の言葉を確認する

1~4にはコミュニケーション機能が備わっていると考えられています。

また、5~7には、直接のコミュニケーション機能はないが、自分の発声を確認するなど、コミュニケーションを行うための土台となる機能があるとされています。

遅延性反響言語(遅延性エコラリア)

遅延性反響言語(遅延性エコラリア)とは、他人の言葉を聞いてから時間をおいてオウム返しする(音声刺激の提示後しばらくして起こる)反響言語(エコラリア)です。

数分後のこともあれば数時間から数日後のこともあり、その場の雰囲気や状況とは関係なく突然発せられるため、周囲の人を驚かせやすいものです。

例えば、好きな子ども番組やCMのワンフレーズ、絵本の一節、歌の歌詞の一部などを聞いた後、しばらくして繰り返します。

リズムや歌い方まで真似することもあれば、大人でも繰り返すのが難しい長い文章や歌詞を繰り返すこともあります。

遅延性反響言語(遅延性エコラリア)を発する理由としては、感情に任せてとっさに出る、気持ちを安心させようとしている、他人の関心を引きたい、他人とコミュニケーションをとろうとしているなどの説明がなされています。

遅延性反響言語(遅延性エコラリア)は、発する場面によって2つに分類されます。

  • 同じ場面や似た場面:他人のやり取りを場面と一緒に覚え、似た場面で発声する
  • 異なる場面:CMのフレーズやアニメのセリフなどを、まったく関係のない場面で発声する

音声模倣(オウム返し)と反響言語(エコラリア)の違い

定型発達の乳幼児にも、他人から質問されたときに言葉を真似する「音声模倣(オウム返し)」が見られます。

音声模倣には、相手の質問を自分の声で再生することで内容を検討したり、自分の気持ちを確認したり、相手に質問の説明を要求したりする意味合いがあり、そうした過程を終えると質問に沿った答えを返します。

反響言語(エコラリア)は、相手の言葉を自動的に真似する点は音声模倣と同じですが、音声模倣のような自分の意思による反応はほぼ認められません。

例えば、「ミカンとバナナ、どっちが欲しい?」という質問に対して、音声模倣の場合は、「どっちが欲しい?」と発声した後に「ミカン」または「バナナ」と答えますが、反響言語(エコラリア)の場合は、「どっちが欲しい?」と発声したきりになります。

まとめ

反響言語(エコラリア)とは

他人が発した言葉を繰り返して発声すること

反響言語(エコラリア)を起こす障害や病気
  • 発達障害(自閉症スペクトラム障害など)
  • トゥレット症候群(障害)
  • 失語症
  • 脳障害
反響言語(エコラリア)の種類
  • 即時性反響言語(即時性エコラリア)
  • 遅延性反響言語(遅延性エコラリア)
音声模倣(オウム返し)と反響言語(エコラリア)の違い
  • 「自分の意思で言葉を発しているか」、「ほぼ自動的に発しているか」という違い
  • 発声した後に答えが続くか続かないかの違い

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