ギャラン反射|原始反射

ギャラン反射

ギャラン反射とは

ギャラン反射とは、赤ちゃんの肩甲骨から腰骨付近の脊椎の片側をこすることで、こすった側のお尻が持ち上がったり、こすった側へ脊柱が曲がったりする原始反射です。

反射中枢は脊髄です。

英語では「garant reflex」と表記し、日本語では「ギャラン反射」の他、「ギャラント反射」、「ガラント反射」、「側彎反射」、「背反射」などと訳されます。

ギャラン反射は、胎内で姿勢を変えたり、出生時に産道を通り抜けやすくしたりする役割を果たしていると考えられています。

ギャラン反射による反応が繰り返されることにより、身体のバランス感覚に重要な前庭組織が刺激されて発達するという指摘がある一方で、出生後の生活に役立つことはないという指摘もあります。

1ヶ月健診と3ヶ月健診(地域によっては4ヶ月健診)では、ギャラン反射が検査項目の一つに含まれています。

原始反射とは

原始反射とは、脳幹や脊髄に反射中枢を持つ、胎児期から乳児期にかけて見られる反射です。

引用:原始反射|psycho-lo

原始反射には、ギャラン反射以外にも、モロー反射、手の把握反射、新生児プランター反射、哺乳反射など多くの種類があります。

原始反射の多くが出生直後から見られ、ある時期になると自然に消失して、赤ちゃんの意思による行動が見られるようになります。

原始反射の役割

原始反射の主な役割は、生命維持と発達促進の2つです。

生命維持 未熟な状態で出生した赤ちゃんの胎外生活をサポートする
発達促進 反応が継続的に繰り返されることで、随意行動の出現が刺激される

指標としての原始反射

原始反射は、出生直後から出現してある時期になると自然消失する特徴により、神経学的障害の有無や程度を確認する指標として、乳幼児健診などで活用されています。

例えば、乳幼児健診では、以下のような原始反射の異常の有無を確認します。

  • ある月齢で起こるべき反射がない
  • 消失すべき月齢で残っている
  • 反応の左右差が常にある
  • 一度は消失した反射が再び出現する

ギャラン反射の確認方法(やり方)

ギャラン反射の確認方法(やり方)は、以下のとおりです。

  1. 赤ちゃんをうつ伏せに寝かせる
  2. 赤ちゃんの肩甲骨から腰骨辺りまでを、背骨に沿って上から下にこする

こすった方へ赤ちゃんの身体が曲がればギャラン反射が残っており、曲がらなければ消失したと考えられます。

なお、うつ伏せに寝かせる場所は、普段から使用する布団の上や膝の上にし、柔らかい布団などは避けてください。

身体を強くこすり過ぎると、赤ちゃんが痛みを感じて泣き出すため、力加減には注意が必要です。

また、ギャラン反射が消失した後は、赤ちゃんが自分の意思で身体を曲げることがあり、反射によるものか否かの判断が難しいことがあります。

お尻フリフリ動画が話題に

ギャラン反射は、小児医療や看護の世界では基本的な知識の一つですが、一般的な認知度は高くありませんでした。

しかし近年、ギャラン反射の動画がyoutubeなどに投稿されたりSNSで拡散されたりした結果、お尻をフリフリする動きが可愛いと話題になり、「ギャラン反射」の知名度も一気に上がりました。

家庭でギャラン反射を起こすのは難しい?

ネット上でギャラン反射が有名になった後、我が子のギャラン反射を確認する親が急増しました。

一方で、「手順通りに刺激を与えても反射が起こらない。」という声が相次いでいます。

「ギャラン反射が起こらないが、何か異常があるのではないか。」などと相談に来る親もいます。

しかし、ギャラン反射を含む原始反射の反応の起こり方は赤ちゃんによって差があります。

また、反応が小さく気づきにくいこともあれば、刺激の与え方が不適切で反応が起こっていない可能性も考えられます。

そのため、家庭でギャラン反射による反応が見られなくても、過剰に心配する必要はありません。

どうしても心配な場合は、念のため小児科に相談してください。

ギャラン反射の出現時期と消失時期

ギャラン反射の出現時期と消失時期は、以下のとおりです。

出現時期:出生後

消失時期:生後4~6ヶ月

ギャラン反射は生まれる前から獲得されており、他の原始反射と似た時期に消失していきます。

ギャラン反射は、在胎32週)に出現しており、出生直後から見られます。

また、胎内でもギャラン反射による反応を繰り返しており、妊婦健診時の超音波検査(エコー検査)で確認できることもあります。

健常な赤ちゃんの場合、中枢神経系の発達によって反射が抑制され、生後4ヶ月~6ヶ月頃には自然消失します。

標準的な時期に消失していくのが健康な証であり、いつまでも消失せずに残る場合は何らかの異常を疑います。

ギャラン反射の異常

ギャラン反射が「出現しない」または「弱い」場合は、反射中枢である脊髄の異常を疑います。

生後6ヶ月を過ぎてギャラン反射が消失しない場合は、脊柱伸展の異常や脳性麻痺の可能性があります。疑われます。

脊柱伸展に異常があると、首すわりや腰すわりの完成が遅れ、年齢を重ねるにつれて脊柱側弯症(脊柱が横に曲がった状態)になる可能性があります。

MEMO
ここに文章

ギャラン反射が消失せず残った場合、以下のような症状が見られるようになります。

  • 注意力や集中力が持続しにくい
  • 歩き方や走り方がぎこちない
  • 椅子に座ってジッとしているのが苦手
  • おねしょが治らない
  • 物を使った作業や遊びが苦手
  • 運動全般が苦手
  • 脊柱側弯症

ギャラン反射は、乳幼児健診の検査項目の1つであり、異常があれば健診で発見されますが、家庭で異常を発見した場合は早急に小児科に相談し、対応を求める必要があります。

まとめ

ギャラン反射とは

赤ちゃんの肩甲骨から腰骨付近の脊椎の片側をこすると、こすった側のお尻が持ち上がり、脊柱が屈曲する原始反射

ギャラン反射の確認方法
  1. 赤ちゃんをうつ伏せに寝かせる
  2. 赤ちゃんの肩甲骨から腰骨辺りまでを、背骨に沿って上から下にこする
ギャラン反射の出現時期と消失時期
  • 出現時期:出生後
  • 消失時期:生後4~6ヶ月
ギャラン反射の異常

「出現しない」または「弱い」:反射中枢である脊髄の異常の可能性

【参考】

  • 人間脳を育てる 動きの発達&原始反射の成長|灰谷孝著|花風社

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