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ハロー効果とは?心理学上の意味と具体例は?逆はピグマリオン効果?

ハロー効果

ハロー効果とは

ハロー効果とは、ある対象を評価するときに、対象が持つ顕著な特徴に引きずられ、その他の特徴の評価が歪められる効果です。

英語では「halo effect」と表記され、日本語では「ハロー効果」、「後光効果」、「光背効果」、「ハローエラー」と訳されます。

ハロー効果という心理学用語を初めて使用したのは、心理学者のソーンダイク,E.です。

ソーンダイクは、1920年に著した論文「A Constant Error in Psychological Ratings」においてハロー効果を提唱し、その後、社会心理学の世界で認知バイアスの一つとして定着しました。

ハロー効果は、対象の顕著な特徴だけを見て、迅速に判断するために備わった機能であると考えられています。

私たちは無数の情報が飛び交う中で生活していますが、全ての情報を処理することは不可能であり、取捨選択して情報を取り入れて判断しています。

ハロー効果も、対象の顕著な情報だけを迅速に判断するために生じるとされています。

MEMO
  • ハロー(halo):聖人などの背後に描かれる後光。ハローが描かれていることで見た人に尊敬に値する人物だという評価を与えるところから、ハロー効果の由来となった。
  • 認知バイアス:対象を評価するときに、周囲の刺激、自分との利害関係や希望に沿って事実を歪めて認知すること

ポジティブ・ハロー効果・ネガティブ・ハロー効果の意味と具体例

ハロー効果は、ポジティブ・ハロー効果とネガティブ・ハロー効果に分類されます。

ポジティブ・ハロー効果の意味と具体例

ポジティブ・ハロー効果とは、対象の特徴のうち際立って良いところに注目し、他の特徴を実際よりも高く評価する現象です。

例えば、笑顔が素敵な人を見て、その他の特徴も「性格が良くて優しいだろう」と高く評価するのがポジティブ・ハロー効果です。

また、身なりが清潔でビジネスマナーを心得た人に対して、他の特徴についても「優秀な人材に違いない」と評価しやすい傾向があります。

いずれも、「笑顔が素敵」でも性格が腹黒かったり、「身なりが清潔でビジネスマナーを心得て」いても業績が悪かったりする可能性もあるのですが、良い特徴に引きずられて悪い特徴が見過ごされやすくなります。

ネガティブ・ハロー効果の意味と具体例

ネガティブ・ハロー効果とは、対象の特徴のうち際立って悪いところに注目し、他の特徴を実際よりも低く評価する現象です。

例えば、身なりが汚いという顕著な特徴から「この人は仕事ができないだろう。」と評価した対象について、地道に仕事をする様子を見ても、「努力をしているふりをしているだけだ。」と低く評価することがあります。

また、控えめな人について「あいつは根暗だから友達がいない。」と決めつけ、勝手に性格や交友関係を低く評価してしまうケースも珍しくありません。

一度ネガティブな印象を抱くと、それに引きずられて他の特徴も低く評価してしまうのです。

恋愛とハロー効果

ハロー効果は、恋愛場面でも起こります。

例えば、初対面の相手から「知り合いに有名人がいる。」と言われて「人脈が広くてすごい人なんだな。」と思ったり、物腰柔らかい態度に「優しそうな人だな。」と思ったりして、好印象を抱きやすくなります。

一方で、身なりがだらしないと「だらしない」という印象を抱き、悪印象を抱きがちです。

そして、ファーストインプレッション(第一印象)が良いまたは悪いと、その後の言動や態度も最初の印象に引きずられ、自分の評価に合う特徴にばかり目を向けてしまいます。

実際に話したのはごくわずかな時間でも、ポジティブ・ハロー効果やネガティブ・ハロー効果が生じ、恋愛感情に発展したり、「この人はない。」と思ったりすることがあるのです。

なお、ネット上では、ハロー効果を活用して恋愛を成就させるテクニックも紹介されています。

ハロー効果とピグマリオン効果、ゴーレム効果

ハロー効果と混同されやすい効果に、ピグマリオン効果とゴーレム効果があります。

ハロー効果とピグマリオン効果

ピグマリオン効果とは、他人から期待されていると感じることで、期待されたとおりの成果を出すという現象です。

例えば、教師が「あなたはできる子だ。」と期待をかけた生徒が、期待に応じて成績を向上させることがあります。

また、上司から「難しい仕事だが、君ならやれると思うから任せる。」と期待された部下が、期待どおり仕事を成功させるのもピグマリオン効果です。

ピグマリオン効果は、期待した相手の成績などを向上させますが、ハロー効果の場合、ネガティブ・ハロー効果が生じると対象を低く評価して期待しなくなることがあります。

また、ポジティブ・ハロー効果が生じた場合でも、良い特徴にばかり注目して他の特徴の評価を歪曲させ、過剰に高く評価することでかえって対象を疲弊させてしまいかねません。

ピグマリオン効果については、「ピグマリオン効果とは?子育てや教育の例は?ゴーレム効果との違いは?」で詳しく解説しています。

ハロー効果とゴーレム効果

ゴーレム効果とは、他人から期待されていないと感じることで、期待されていないとおりの低い成果しか上げられなくなるという効果です。

例えば、教師が「あなたは勉強しても無駄だ。」と突き放すと、期待されていないと感じた生徒はやる気をなくし、成果が上がりにくくなります。

また、上司から「君は何をやらせてもダメだから、重要な仕事は任せられない。」と言ってしまうと、部下はやる気をなくして業績が低迷してしまいます。

ゴーレム効果は、期待しない相手の成績などを低下させますが、ハロー効果の場合、ポジティブ・ハロー効果によって対象を高く評価して期待をかけ、対象がやる気を出して成績を向上させることがあります。

ゴーレム効果については、「ゴーレム効果とは?ピグマリオン効果との違いは?」で詳しく解説しています。

ハロー効果による評価の歪みを生じさせない方法

ハロー効果は誰にでも日常的に起こりうる現象であり、完全に防止することは困難です。

しかし、ハロー効果の内容や抑止方法を知っておくことで、ハロー効果による評価の歪みを最低限に抑えることができます。

評価基準を明らかにする

ハロー効果を抑止するには、評価の基準を設けることが有効です。

採用面接などでは広く活用されている方法ですが、対人関係や人事評価についても、一定の評価基準を設けておくことで、対象の顕著な特徴や個人の価値観のみによる評価を抑止することができます。

対象の行動を基準に評価する

誰であっても、外見や振る舞いを少し見ただけで対象を正しく評価することはできません。

そのため、外見などその場の印象だけでなく、評価対象の過去の実績や具体的な行動などを確認した上で評価することが大切です。

複数人で評価する

対象を評価する場合、一人ではどうしても価値観や好みが評価に反映されてしまいます。

対象を複数人で面接するなどして評価することにより、個人の要因を減らすことができます。

まとめ

ハロー効果

対象の顕著な特徴の影響を受け、その他の特徴に関する評価が歪められる効果

ポジティブ・ハロー効果とネガティブ・ハロー効果の意味と具体例

ポジティブ・ハロー効果:対象の優れた特徴に注目し、他の特徴を実際よりも高く評価する現象

ネガティブ・ハロー効果:対象の劣った特徴に注目し、他の特徴を実際よりも低く評価する現象

恋愛とハロー効果

優れた特徴に注目して恋愛感情を抱いたり、劣った特徴に注目して恋愛対象外と決めつけたりする

ハロー効果とピグマリオン効果、ゴーレム効果

ピグマリオン効果:他人から期待されることで、期待どおりの成果を上げる効果

ゴーレム効果:他人から期待されないことで、期待されないとおりの低い成果しか上がらない効果

ハロー効果による評価の歪みが生じさせない方法
  • 評価基準を明らかにする
  • 対象の行動を基準に評価する
  • 複数人で評価する