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臨床心理士(心理職)の年収・収入は?公務員と民間勤務では生涯年収が9000万円違う?

臨床心理士 年収 収入

臨床心理士の年収・収入

臨床心理士の年収・収入は、「臨床心理士の動向調査」報告書で確認することができます。

臨床心理士の年収

※2015年度の見込み年収

出典:「臨床心理士の動向調査」報告書|平成28年(2016)年4月一般社団法人日本臨床心理士会

年収300万台が19.0%と最も多く、次いで年収200万台が16.5%、さらに年収400万台が15.5%となっています。

年収300万台から年収500万台で約半数(51.0%)を占めていることが分かります。

また、年収が100万未満が5.7%、年収100万台が8.8%となっています。

年収が600万を超える臨床心理士は26.9%となっていますが、500万台以下と比べると半分以下となっています。

臨床心理士の年収・収入は安いの?

臨床心理士として働く人に「あなたの年収・収入は高いと思う?安いと思う?」と聞くと、高い確率で「安い」という回答が返ってきます。

「やりがいを感じているから給料は安いけど問題ない」、「職場環境には恵まれているから」と付け足す人も多いですが、収入については少なからず不満を持っている人が多いのです。

2015年度の「民間給与実態統計調査」における平均給与が420万円なので、原則として大学院修了を課す資格としては、臨床心理士の年収・収入は低い水準にあると言えます。

臨床心理士の年収・収入と雇用形態

臨床心理士の年収・収入が低水準にとどまる背景には、雇用形態の問題があります。

臨床心理士の就業形態出典:「臨床心理士の動向調査」報告書|平成28年(2016)年4月一般社団法人日本臨床心理士会

常勤のみが33.8%と最も多いですが、「常勤+非常勤」と「非常勤のみ」の合計が58.5%と常勤のみを大きく上回っています。

臨床心理士の勤務領域は、病院などの「医療・保険」と学校などの「教育」で半数を超えていますが、これらの分野でも就業形態の不安定さが浮き彫りになっています。

例えば、総合病院、精神科、心療内科、小児科などの医療機関では、臨床心理士の専門業務の一部しか診療報酬を算定できません。

そのため、経営の観点から、非常勤として採用される臨床心理士が多いというのが実情です。

また、教育分野における臨床心理士の主な職業であるスクールカウンセラーについても、時給は高額ですが、予算の都合上勤務の時間制限が設定されています。

そのため、週4~10時間程度の勤務にとどまっている臨床心理士が多いという問題があります。

時給が5000円でも週10時間では5万円(月額でも20万円程度)にしかならず、安定した生活を送ることは困難です。

臨床心理士の年収・収入は公務員と民間勤務で大きく異なる

同じ臨床心理師でも、公務員として勤務する場合と民間で勤務する場合では、年収・収入が大きく異なります。

結論から言うと、心理系公務員(心理職)の臨床心理士の方が民間勤務よりも年収・収入が高くなる傾向があります。

公務員の年収・収入国家公務員

行政職俸給表(一)適用者

地方公務員

一般行政職

民間
平均年齢43.5歳42.2歳39.9歳
平均給料月額329,845円318,639円
平均給与月額

(給料+諸手当)

410.940円401,142円281,000円
平均ボーナス額

(2018年度:4.45)

1,467,810円1,417,943円697,800円
平均年収額6,399,090円6,231,647円4,070,000円
退職金額

(定年退職者)

21,492,000円22,861,000円
生涯年収額

(22~59歳)

249,564,510円243,034,233円158,730,000円

引用:平成30年国家公務員給与等実態調査の結果平成30年地方公務員給与実態調査結果等の概要退職手当の支給状況賃金構造基本統計調査

注意

心理系公務員(心理職)には行政職俸給表(一)以外が適用される職業がありますが、この記事では割愛しています。

 

また、民間の臨床心理士のみの年収・収入に関する統計は存在しないので賃金構造基本統計調査の「社会保険・社会福祉・介護事業」の産業分類給与を掲載しています。

 

したがって、民間で働く臨床心理士の正確な年収・収入というわけではありませんので、参考程度に確認しておいてください。

国家公務員または地方公務員の年収年収額から民間勤務の臨床心理士の障害年収額を差し引くと、約9000万円も差がつきます。

当然ながら、年収・収入は雇用形態や雇用条件によって左右されるものですが、公務員として働くか民間で勤務するかによって大きな差が付く傾向があることは分かるでしょう。

臨床心理師として年収・収入が安定した仕事に就くには

ここまで書いてきたことを踏まえると、臨床心理師として安定した仕事を得るには公務員になるのが手っ取り早いと言えます。

しかし、心理系公務員(心理職)の試験は、大学の学部や院で心理学を学習しただけで合格できるほど簡単ではありません。

専門的な心理学の知識が要求されるだけでなく、一般教養や一般知識、対人関係能力(心理系公務員試験には面接試験があるものが多い)も必要になるからです。

また、他の公務員試験と比較すると採用予定数が少なく、「若干名」や「10人程度」と明記されている試験も珍しくありません。

こうした狭き門を潜り抜けて心理系公務員になるには、勉強の積み重ねと試験に合格するためのノウハウが必要です。

心理系公務員(心理職)を本気で目指す場合は、まずは「どんな職業があるのか」を知り、「どの職業に就きたいか」を決めるところから始めましょう。

心理系公務員(心理職)については、以下の記事で詳しく解説しているので、良ければ読んでみてください。

心理学を活かせる仕事:心理系公務員(心理職)の職種と勤務先、就職方法を解説

また、試験の科目や出題形式を確認して「独学は難しい」と思ったら、予備校などに通うことも一つの方法です。

MEMO

私も大学在学中に初めて心理系公務員(心理職)を受験するときは、予備校に通いました。

 

試験範囲を網羅的に学べることに加え、疑問質問を講師にぶつけたり、模擬面接で面接試験の雰囲気を掴んだりできたことが合格につながったと思っています。

 

予備校で学んだことは、その後、他の心理系公務員(心理職)に転職するときにも役立ちましたし、現在、公認心理師の勉強会の講師をするときにも役立っています。

公務員以外の選択肢

もちろん、独立開業したり、正規雇用してもらえる勤務先を探したりする方法もあります。

しかし、開業には知識、資金、人脈が必要になりますし、必ずしも軌道に乗るとは限りません。

また、民間で心理職の正規雇用を探すのは、公務員試験に合格するのと同じかそれ以上に難しいというのが現状です。

公認心理師になる

2018年度から、心理系初の国家資格である「公認心理師」制度が開始されました。

現時点で、公認心理師資格を持っていることで資格手当が付いた、待遇が向上したという声は限定的ですが、今後は改善されていく可能性があります。

また、国家資格がアドバンテージになって採用されやすくなるということも考えられるので、受験資格がある場合は取得しておくことをおすすめします。

公認心理師については以下の記事で詳しく解説しているので、関心がある人は読んでみてください。

公認心理師とは?英語表記は?受験資格の特例措置(経過措置)はいつまで?

まとめ

臨床心理士の年収・収入

年収300万台から500万台が51%を占め、100万以下の臨床心理師もいる

臨床心理士の年収・収入は公務員と民間勤務で大きく異なる

公務員と民間勤務では、障害年収額で約9000万円もの差がつくことがある(試算結果)

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臨床心理師として年収・収入が安定した仕事に就くには
  • 公務員が確実だが、狭き門なので予備校などの利用を検討する
  • 公認心理士資格を取得することが待遇改善につながる可能性がある