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産業カウンセラーとは?資格試験の受験資格と難易度は?キャリアコンサルタントと違う?

産業カウンセラー

産業カウンセラーとは

産業カウンセラーとは、一般社団法人産業カウンセラー協会が認定する、心理カウンセラーの民間資格です。

取得することにより、心理学の知見を活用し、働く人が抱える問題を解決できるようサポートする「働く人を援助する専門家」であることが証明されます。

主な活動領域は、「メンタルヘルス対策へのサポート」、「人間関係開発へのサポート」、「キャリア開発へのサポート」で、これらの分野における資格の中では知名度が高いと言えます。

臨床心理士や公認心理師と比較すると受験資格が緩やかで、資格試験の難易度も低く、心理学の初学者が一から勉強して取得しやすい資格となっています。

2001年に民間資格化

産業カウンセラー試験は、もともとは旧労働省が認定する技能審査として1992年に創設され、2001年に技能審査から外れて民間資格化した経緯があります。

そのため、年配の方の中には産業カウンセラーが今も公的資格だと思っている人もいます。

上位資格

産業カウンセラーの上位資格には、シニア産業カウンセラーがあります。

産業カウンセラーとキャリアコンサルタントの違い

産業カウンセラーの活動領域であるキャリア開発のサポートなどを行う資格としては、キャリアコンサルタントという国家資格があります。

産業カウンセラーは、心理学の知見を活用し、悩みを抱えながら働く人が、その悩みを自力で解決できるようにサポートする仕事です。

働く人の話に耳を傾け、その人が置かれた状況や悩みの内容を十分に聞いて、寄り添いながら解決策を一緒に考えていくことになります。

一方のキャリアコンサルタントは、相談者の抱える問題(主に就職や転職)について積極的にコミットして解決案を示していく仕事です。

相談者の話を聞き、寄り添って一緒に考える姿勢も大切ですが、相談者の問題を解決するためのアンサーを提示する必要があります。

キャリアコンサルタントについては、別の記事で詳しく解説しています。

キャリアコンサルタントとは?国家資格試験の難易度と合格率、講座の選び方は?

基本情報

資格産業カウンセラー
認定団体一般社団法人産業カウンセラー協会
取得方法・通学講座+e-Learning講座
・産業カウンセラー試験
取得の流れ1.受験資格を得る

2.産業カウンセラー試験に合格する

3.資格登録をする

難易度★★★☆☆

産業カウンセラー資格を取得する方法

産業カウンセラーになるには、受験資格を得て、資格試験に合格し、資格登録をする必要があります。

産業カウンセラーの受験資格

産業カウンセラーの受験資格は、以下のいずれかを満たすことです。

受験資格要件具体的な要件
・20歳以上

・協会が行う産業カウンセラー養成講座を修了した

・大学院で所定の専攻過程(心理学又は心理学隣接諸科学、人間科学、人間関係学)を修了した

・所定の科目を取得した

以下のA群からG群までの科目のうち、1科目を2単位以内として10科目以上、20単位以上を取得していること

※D群からG群の科目による取得単位は6単位以内

社会人として週3日以上の職業経験が通算3年以上

以下のA群からG群までの科目のうち、1科目を2単位以内として4科目以上、8単位以上を取得していること

※D群からG群の科目による取得単位は2単位以内

  • A群:産業カウンセリング、カウンセリング、臨床心理学、心理療法各論(精神分析・行動療法など)などの科目群
  • B群:カウンセリング演習 カウンセリング実習などの科目群
  • C群:人格心理学、心理アセスメント法などの科目群
  • D群:キャリア・カウンセリング、キャリア概論などの科目群
  • E群:産業心理学、産業・組織心理学、グループダイナミックス、人間関係論などの科目群
  • F群:労働法令の科目群
  • G群:精神医学、精神保健、精神衛生、心身医学、ストレス学、職場のメンタルヘルスなどの科目群

産業カウンセラー養成講座

大学院で所定の専攻過程を履修していない、または所定の科目を取得していない場合、受験資格を得るには産業カウンセラー養成講座を受講する必要があります。

産業カウンセラー養成講座は、2019年からe-learning制に移行しています。

項目説明
受講資格20歳以上の産業カウンセラー資格取得希望者
講座期間【6ヶ月コース(上期)】

2019年5月1日~10 月31日

【6ヶ月コース(下期)】

2020年11月1日~ 4 月30日(申込み:2019年8月~)

【10ヶ月コース】

2020年1月10日~10月31日(申込み:2019年10月~)

講座内容1.面接の体験学習(通学):104時間(昼間15~16日、夜間33~38日)

2. ライブ理論講義(通学):12時間(2日)

3. Web配信講義視聴(e-Learning)32時間相当

4. 理解度確認テスト(e-Learning)13時間相当

5. 実習に関する在宅課題6課題(宿題)28時間相当

理論科目1. カウンセリングとは何か
2. 傾聴の意義と技法
3. カウンセリングのプロセスとトレーニング
4. 産業カウンセラーと産業カウンセリングのあゆみ
5. カウンセリング理論の源流とその発展
6. カウンセリングのさまざまな理論と方法
7. こころとからだのメカニズム
8. パーソナリティ心理学と心理アセスメント
9. 精神医学の基本
10. 産業組織の心理学
11. コミュニケーションの基本
12. 職場におけるメンタルヘルス対策への支援
13. 産業社会の動向と働く意識の変化
14. 人事労務管理の基礎知識と人材マネジメントの現状
15. 労働法規の基本
16. 社会福祉関連法
17. 職場における人間関係開発・職場環境改善への支援
18. キャリア形成への支援
19. コンプライアンスと倫理
受講料291,600円(税込、教材費込)

【割引制度】

・2019年度産業カウンセラー養成講座(上期6ヶ月コース)説明会参加割引:270,000円

・日本産業カウンセラー協会 (賛助)会員割引:262,440円

申込方法産業カウンセラー協会ウェブサイトまたは郵送
通学会場教室(面接実習会場)一覧を参照
修了要件・通学講座116時間のうち101時間以上に出席すること

・理解度確認テスト各科目において6割以上正答すること

・面接の体験学習に関する課題学習のうち4課題について、ABCD4段階評価のところAまたはBの評価を受けること

【補講】

通学講座に15時間以上欠席した場合、4日(1日あたり6時間)を限度として補講を受けることができる

ただし、1日あたり10,800円(税込)の補講料金がかかる

試験の基本情報

産業カウンセラー試験は、学科試験と実技試験があります。

2019年までは年1回の実施でしたが、2020年以降は年2回実施(1月及び7月)されることが決定しています。

2020年1月試験の日程は、以下のとおりです。

  • 学科試験:2020年1月19日(日)
  • 実技試験:2020年1月25日(土)、26日(日)

項目説明
試験区分民間資格
主催産業カウンセラー協会
出題形式【学科試験】

5肢択一マークシート方式が60問程度

【実技試験】

・受験者同士のロールプレイ

・口述試験

合格率【2019年試験】

学科試験:72.9%

実技試験:69.3%

資格登録

試験に合格した後は、産業カウンセラー協会に資格登録申請を行うことで、資格登録会員として活動できます。

登録にかかる費用金額
登録料7,000円
年会費・4月入会:10,000円

・10月入会:5,000円

産業カウンセラー資格は更新制

産業カウンセラー資格は、5年ごとの更新制となっています。

したがって、登録有効期間の5年が経過する前に更新手続き(更新手数料:3,000円)が必要になります。

資格の更新には、登録期間中に1日6時間の「資格登録更新研修」を受講する必要があります。

産業カウンセラーの就職先と仕事内容

産業カウンセラーは、名称に「産業」とついているとおり、主に企業などに就職して活動することになります。

心理学の知見を活用して、働く人が抱える問題をサポートし、自分自身で解決できるように導いていくのが産業カウンセラーに求められる役割です。

メンタルヘルス対策、キャリア開発、人間関係開発という3分野における援助を中心業務とし、企業内の多職種と連携しながら仕事をこなすことになります。

例えば、企業内相談室で、仕事や人間関係に悩みを抱える従業員へのカウンセリングを行ったり、管理者や監督責任者に対してメンタルヘルスの研修を実施したりします。

また、カウンセラーという職業以外でも、人事担当者や就職・転職コーディネーターとして活躍する産業カウンセラーも少なくありません。

さらに、産業以外でも医療、福祉、教育などの各分野でも活躍することが可能です。

口コミ

20代女性

心理学を活かせる+「くいっぱぐれない」資格を探し、産業カウンセラーに行きつきました。

メンタルヘルスやキャリア開発はこれからも伸びていく分野なので、心理学が活かしたいけど安定した生活も送りたいならおすすめの資格です。

欲を言えば、キャリアコンサルタントの資格も取得しておくと、仕事の幅が広がり、待遇も向上します。

20代男性

産業分野で心理職として働きたいと思い、産業カウンセラー資格を取得しました。

大学で学ぶ心理学と産業分野で活かせる心理学の知見はけっこう違いますが、養成講座の中で少しずつ身につけていくことができます。

30代女性

臨床心理士として医療分野で働き、職場の問題で心を壊した人をたくさん接した経験から、職場のメンタルヘルスに関心が強くなり、産業分野に鞍替えし、産業カウンセラー資格を取得しました。

企業の従業員の抱える心の闇は想像以上に深いものがあり、当初は驚くことばかりでしたが、心を病む前に予防するという仕事にはやりがいを感じています。

30代男性

働く人のサポートに興味があり、パッと目についた産業カウンセラーの資格を取得して、企業のカウンセラーとして就職しました。

しかし、相談者のキャリア形成に積極的にコミットしたいと思っていたので、寄り添うサポートが中心の産業カウンセラーでは物足りなくなり、キャリアコンサルタントに転職して今に至ります。

資格を取得する前に、各種資格の資料やウェブサイトをよく読み、「自分が何をやりたいか、それを実現できる資格は何か」について検討しておきましょう(自戒を込めて)。

こんな人におすすめ

  • 心理学の知見を活かして産業分野で活躍したい人
  • 働く人のサポートを仕事にしたい人
  • 人の話を聞き、一緒に寄り添いながら解決することにやりがいを感じる人

まとめ

産業カウンセラーとは

一般社団法人産業カウンセラー協会が認定する民間資格

産業カウンセラー資格を取得する方法
  1. 産業カウンセラー養成講座の受講
  2. 産業カウンセラー資格試験に合格
  3. 資格登録
産業カウンセラーの就職先と仕事内容

「メンタルヘルス対策へのサポート」、「人間関係開発へのサポート」、「キャリア開発へのサポート」が中心業務

口コミ

本文記載のとおり

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