心理学用語や心理学を活かせる仕事を解説

レビンソンの発達理論における発達段階と発達課題は?中年の危機の意味は?

レビンソン 発達理論 発達課題

レビンソンの発達理論とは

レビンソンの発達理論とは、レビンソン,D.J.が、中年男性のインタビュー調査の結果などに基づいて提唱したライフサイクル理論(発達理論)です。

レビンソンは、アメリカ合衆国の中年男性数十人にインタビューを行うという実証研究を行い、個人と社会の接点に注目して両者の変化の相互関係を分析して、成人期を中心とする人の発達を明らかにした人物です。

季節と同じようにサイクルで捉えることができることから、人生を四季に例えたことでも知られています。

レビンソンは、「人生は、約25年間継続する発達期(安定期)が繰り返される。」、「各発達期は約5年間の過渡期(移行期、転機、トランジションとも訳される)でつながっている。」とするライフサイクル理論を提唱しました。

同発達理論では、各発達期と過渡期は交互に現れ、ある発達期から次の段階へ移行するには必ず過渡期を経ることになり、過渡期には、それまでの「生活構造」の根本的見直しと修正が行われると説明されます。

生活構造とは

レビンソンの生活構造とは、ある時期における個人の生活の基本パターンや設計のことです。

例えば、ある時期における個人の基本的な人が何に時間と労力を費やすか、どのような世界観を持ち、どのような人間関係を構築するかなどが生活構造です。

過渡期には、個人の内的世界と個人を取り巻く外的世界が変化して、それまでの生活構造では適応できなくなり、新たな発達期に適応するために新しい生活構造への修正が行われます。

レビンソンは、「成人期以降は生活構造が比較的正しい順序で発達する」、「生活構造の発達は安定期と過渡期が交互に現れる」と提唱しています。

安定期 生活構造が築かれる時期
過渡期 生活構造が変化する時期

レビンソンの発達期(発達段階)と発達課題:人生の四季

レビンソンの発達段階は、4つの発達期(人生の四季)とそれらをつなぐ3つの過渡期で構成されます。

児童期・青年期
過渡期1
成人前期
過渡期2
中年期(成人中期)
過渡期3
老年期(成人後期)

児童期・青年期(0~22歳)

児童期・青年期とは、親や社会に保護されながら生きる時期です。

乳児期(0~1歳)には母子統合、幼児期(前期、1~3歳)には第1次反抗期と母子分離、幼児期(後期、3~6歳)には一人でいること、学童期(6~12歳)には友人関係、思春期(12~15歳)には反抗期、青年期(15~17歳)にはアイデンティティの危機などの課題が存在します。

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過渡期1(17~22歳)

児童期・青年期から成人期(成人前期)への橋渡しとなる時期です。

親に保護・養育される世界から、成人の世界へと踏み込む時期であり、レビンソンは、この時期の発達課題を「アパシー」と「離人感(自分が自分ではないという感覚)」としています。

それまでの自分を見直して修正するとともに、成人の世界の可能性を模索し、成人としてとりあえずのアイデンティティを確立して、成人として生活するための暫定的選択と試行錯誤がなされることになります。

成人前期(17~45歳)

成人前期は、成人として社会の中に入り、自分の力で生きていく時期です。

22~28歳頃が大人の世界へ入る時期(安定期)、28~33歳頃が30歳の過渡期(成人としての生活がより現実的になる時期)、33~40歳頃からが一家を構える時期(安定期)とされます。

過渡期2(40~45歳)

成人前期と中年期をつなぐ、人生半ばの過渡期です。

この時期の発達課題は、「らしさ(男らしさ、女らしさ」、「愛着と分離」、「若さと老い」、「破壊と創造」です。

成人前期では目を向けてこなかった「自分」に目を向ける時期であり、生活構造の変化に柔軟に対応して新しい生活構造を構築することが求められます。

肉体や生活環境が変化したり、それまで価値観が崩壊したりする時期であり、この時期に新しい生活構造を構築できず中年期(成人中期)へ入ると、中年の危機(後述)に陥るおそれがあります。

中年期(成人中期、40~65歳)

中年期は、自分らしさを模索し、葛藤しながら「真の自分」として生きることを決める時期です。

レビンソンは、中年期の発達課題として「真の自分と折り合いをつけること」を挙げています。

45~50歳は充実した時期(安定期)、50~55歳は人生半ばの過渡期で設定した課題を実行する時期、55~60歳は中年の最盛期とされています。

中年の最盛期とは、中年期の生活構造を構築・充実させ、愛情や共感性などがより分化したり、知恵や思慮分別に長けてきたりする時期です。

過渡期3(60~65歳)

中年期と老年期をつなぐ過渡期です。

死の恐怖や役割の喪失、孤立化などの課題を抱え、それらと折り合いをつけていくことになります。

老年期(60歳~)

老年期は、自らの死を受け入れながら、新しい生への希望を獲得する時期です。

死への恐怖や役割喪失から抜け出せないままだと、孤立化が進みます。

中年の危機(Midlife crisis

中年の危機とは、それまでの自分の人生を肯定的に受け止めることができず、「このままでいいのか」「自分らしく生きてきただろうか」などと悩む状態です。

中年期には、男らしさと女らしさ、若さと老い、破壊と創造、愛着と分離という葛藤が生じ、これらを自分にふさわしいかたちで受容・統合することが求められます。

これらの葛藤がうまく解決できないとアイデンティティの拡散が生じ、中年の危機に陥ります。

まとめ

レビンソンの発達理論とは

レビンソンが提唱したライフサイクル理論(発達理論)

【特徴】

  • 人生:約25年間継続する発達期(安定期)が繰り返され、各発達期は約5年間の過渡期でつながっている
  • 過渡期:生活構造の修正が行われる時期
  • 生活構造:ある時期における個人の生活の基本パターンや設計
レビンソンの発達期(発達段階)と発達課題
  • 児童期・青年期
  • 成人前期
  • 中年期(成人中期)
  • 老年期(成人後期)

各発達期の間に過渡期が存在する

中年期

自分の人生を肯定的に受け止めることができず悩む状態

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