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パニック障害とは?症状(パニック発作、予期不安、広場恐怖)となりやすい人は?

パニック障害

パニック障害とは

パニック障害とは、パニック発作、予期不安、広場恐怖という3つの症状を特徴とする病気です。

不安障害に分類される精神障害の一つで、予期しないパニック発作が繰り返し起こり、1か月以上の間、発作の心配をしたり、発作を恐れて行動を変えたりする場合に診断されます。

パニック障害では、突然、理由もないのにパニック発作を起こります。

これらの発作は、本人が「死んでしまうのではないか。」と思うほど強いもので、「自分ではコントロールできない。」という感覚に陥ります。

すぐに症状はなくなり、検査でも異常は見つからないので、適切な対処ができません。

そして、発作が何度も繰り返されるうちに「再び発作が起きたらどうしよう。」という強い不安を感じる(予期不安)ようになり、発作が起きた(または起きそうな)場所や状況を避けるようになります(広場恐怖)。

うつ病を合併することもあり、発症前と同じ社会生活を送ることが難しくなっていきます。

パニック障害の発症率

一生の間にパニック障害になる人は、100人に1~2人と言われています。

周囲に誤解されやすい

パニック発作は何度も繰り返しますが、検査では異常が見つからないので、最初は心配していた家族や周囲の人も、「気のせいではないか」「嘘ではないか」と疑うようになります。

本人にとっては死ぬほどつらくて怖い体験ですが、それが周囲に理解されないばかりか誤解されることも多いのです。

パニック障害の原因(なりやすい人)

パニック障害は、異常事態に直面したときにはたらく神経機能の異常が原因で起こると考えられていますが、全ての原因が明らかになっているわけではありません。

パニック障害が起こるきっかけには、以下のようなものがあります。

  • 火事や地震などの災害
  • 過労
  • 睡眠不足
  • 強いストレス
  • 風邪などの病気

家族にパニック障害の人がいる場合、発症リスクが高まるといわれています、

パニック発作の症状

パニック発作の3大症状は、パニック発作、予期不安、広場恐怖です。

パニック発作

パニック障害では、「予期しない発作」が繰り返されます。

食事中、就寝中、外出中など時間や場所に関わらず起こるのが特徴です。

パニック発作にみられる主な症状は、以下のとおりです。

  • 動悸
  • めまい
  • 異常な発汗
  • 窒息しそうな感覚
  • 吐き気
  • 手足の震えなど

「死んでしまうのではないか。」と思うくらい強い発作ですが、短時間で治まりますが、しばらく経つと再び起こり、何度も繰り返します。

予期不安

パニック発作が繰り返し起こることにより、「また発作が起こるのではないか。」という心配を抱く(不安を予期する)ようになります。

これが予期不安です。

実際にはパニック発作が起こるかどうか分からない状況でも、それまでの「繰り返し発作が起こった」という体験から、「また同じ発作が生じるのではないか。」と不安を感じ続けるのです。

広場恐怖

パニック発作が繰り返されることで、「発作が起こると、自力ではその場から逃げることができない。」と思い込み、誰かに助けてほしいと思うようになります。

そして、いつ起こるか分からない発作に備え、発作が起こった(起こるかもしれない)場所や、周囲の助けが得られない状況を避けるようになります。

これが広場恐怖(アゴラフォビア)です。

例えば、家から出られなくなる、一人で外出できなくなる、電車内やエレベーター内など他人の助けが得にくい場所を避けるなどの行動が現れます。

その結果、発症前と同じ日常生活を送ることが困難になり、社会的役割を果たすことも難しくなります。

DSM-5では、毎年、青年と成人の約1.7%が広場恐怖症と診断されるとされています。

また、一般人口の約30%(臨床例の約50%)で、パニック発作やパニック症に続いて広場恐怖が起こります。

うつ病を合併することもある

日常生活に支障が出たり、社会的なや役割を果たせなくなったりすることで家族や周囲の人との間に葛藤が生じ、強いストレスとなって症状を慢性化させる傾向があります。

そして、日常生活への影響が強くなって生活の質が低下することにより、うつ病を発症する人もいます。

パニック障害は死ぬ病気ではない

パニック発作が起こると「死ぬかもしれない」と思いますが、実際にはパニック障害の症状そのもので死ぬことはありません。

ただし、パニック障害の症状に悩み苦しんで、自ら命を絶ってしまうケースはあります。

パニック障害の検査と診断

パニック障害の症状である息苦しさや動悸などは、他の病気が原因でも怒ります。

そのため、問診で症状を評価した上で、以下のような検査で身体的な病気の可能性を探ります。

  • 血液検査
  • レントゲン検査
  • 心電図検査
  • 心エコー検査

現場では、DSM-5などの診断基準に基づいて診断されています。

例えば、DSM-5では、パニック発作について以下のような基準が設定されています。

パニック発作とは、突然、激しい恐怖または強烈な不快感の高まりが数分以内でピークに達し、その時間内に、以下の症状のうち4つ(またはそれ以上)が起こる。

  • 動悸、心悸亢進、または心拍数の増加
  • 発汗
  • 身震いまたは震え
  • 息切れ感または息苦しさ
  • 窒息感
  • 胸痛または胸部の不快感
  • 嘔気または腹部の不快感
  • めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じ
  • 寒気または熱感
  • 異常感覚(感覚麻痺または熱感)
  • 現実感消失(現実ではない感じ)または離人感(自分自身から離脱している)
  • 抑制力を失うまたはどうかなってしまうことに対する恐怖
  • 死ぬことに対する恐怖」

引用:DSM-5

また、ICD-10では、以下のように記載されています。

この分類では、一定の恐怖症的状況で起こるパニック発作は、恐怖症の重篤さの表現とみなされ、診断的優先権は後者に与えるべきである。パニック障害それ自体は、F40.-のいかなる恐怖症も存在しない場合にのみ診断されるべきである。確定診断のためには、自律神経性不安の重篤な発作が、ほぼ1ヵ月の間に数回起きていなければならない。

  1. 客観的危険が存在しない環境において起きる。
  2. 既知の、あるいは予見できる状況に限定されない。
  3. 発作と発作の間は、不安症状は比較的欠いている(しかし、予期不安は通常認められる)。

引用:ICD-10

DSM-5については、「DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)を分かりやすく解説」で詳しく解説しています。

パニック障害の治療

基本的には、薬物療法と認知行動療法の組み合わせで治療することになります。

治療法具体的な内容
薬物療法選択的セロトニン再取込阻害薬の使用など
認知行動療法本人が避ける状況にあえて身を置き、発作を起こさず行動できる範囲を広げるなど

服薬を中止しても症状が再発せず、発症前と同じように日常生活を送れるようにするには、一定期間は治療を続けることが大切です。

公認心理師試験の出題歴

パニック障害は、第1回公認心理師試験に出題されました(正答は赤字)。

問26 パニック障害に最も伴いやすい症状として、正しいものを1つ選べ。

①常同症

②解離症状

③疾病恐怖

④社交恐怖

⑤広場恐怖

引用:第1回公認心理師試験

まとめ

パニック障害とは

パニック発作、予期不安、広場恐怖を3大症状とする、不安障害に分類される精神障害

パニック障害の原因(なりやすい人)

異常事態にはたらく神経機能の異常が原因と考えられている

災害、過労、睡眠不足、ストレス状況などをきっかけとして起こりやすい

パニック障害の症状
  • パニック発作:動悸やめまいなど、予期しない発作を繰り返す
  • 予期不安:発作が起こっていないときも「発作が起こるのではないか」という不安を抱き続ける
  • 広場恐怖:発作が起こる場所や助けが得られなさそうな場所を避ける
パニック障害の検査・診断

問診と各種検査を組み合わせる

パニック障害の治療

薬物療法と認知行動療法の組み合わせ

公認心理師試験の出題歴

第1回試験・問26

公認心理師とは?受験資格と特例措置、試験合格率は?臨床心理士との違いは?