心理学用語や心理学を活かせる仕事を解説

ストレンジシチュエーション法とは?エインスワースのテストと愛着の種類方法

ストレンジシチュエーション法 エインスワース 愛着

ストレンジシチュエーション法とは

ストレンジシチュエーション法とは、アメリカ合衆国の発達心理学者エインスワース,M.D.S.が開発した、赤ちゃんと母親(養育者)のアタッチメントの発達や類型を明らかにする実験観察法です。

英語では「Strange Situation Procedure」と表記され、日本語ではストレンジシチュエーション法とカタカナ表記されるか「新規場面法」「奇異な状況(観察法)」と訳されます。

エインスワースは、ボウルビィの愛着理論に基づいて、愛着行動に関する個人的な差異を評価する方法として、ストレンジシチュエーション法を開発しました。

ストレンジシチュエーション法は、1歳未満の赤ちゃんを対象として、実験室(奇異な状況)における母子分離と再会、他人の介入などに対する赤ちゃんの反応を組織的に観察するもので、当時としては画期的な方法として注目されました。

ストレンジシチュエーション法を用いた実験観察

エインスワースらは、被験者である1歳未満の赤ちゃんを見知らぬ奇異な状況(プレイルームや実験観察室など)に入れ、母子場面における赤ちゃんの行動などを観察・記録しました。

また、母親が赤ちゃんにとってのストレンジャー(見知らぬ人)が入退室したときの赤ちゃんの行動も観察・記録しました。

エインスワースらが行ったストレンジシチュエーション法は、以下の8つの場面で構成されていました。

場面 内容 時間
1.母子が入室
2.母子場面1 赤ちゃんはおもちゃで遊ぶ

母親は赤ちゃんから離れた場所に座る

3分
3.ストレンジャーが入室 【ストレンジャーの行動〉

黙って座る(1分間)

母親と会話する(1分間)

赤ちゃんと遊ぶ(1分間)

3分
4.母親が退室 【ストレンジャーの行動】

赤ちゃんが泣けばあやす

泣かなければ黙って座る

3分
5.母親が入室 ストレンジャーは退室

母子が一緒に遊ぶ

3分
6.母が退室 赤ちゃんは一人で遊ぶ 3分
7.ストレンジャーが入室 【ストレンジャーの行動】

赤ちゃんが泣けばあやす

泣かなければ黙って座る

3分
8.母親が入室 ストレンジャーは退室

母子が一緒に遊ぶ

3分

エインスワースは、ストレンジシチュエーション法による観察・記録の結果に基づいて、赤ちゃんの愛着のタイプを「安定型」、「不安定(回避)型」、「不安定(両価)型」に分類しました。

その後、メインとソロモンが上記3つに当てはまらない愛着のタイプを発見し、「無秩序型(無方向型)」を追加しています

愛着の4つのタイプ

愛着の4つのタイプについて、一つひとつ確認していきます。

安定型

安定型の赤ちゃんは、母親の退室時に多少混乱した様子を見せ、母親の入室時には自ら接触しようと試みます。

母親の退室時に泣いたり、入室後に母親が離れようとすると不機嫌になったりすることはありますが、母親が傍に寄るとすぐ落ち着きを取り戻します。

母親と一緒の場面では、母親を安全基地として、興味関心を抱いた対象と母親の間を自発的に行き来しながら遊ぶ様子が見られます。

不安定(回避)型

不安定(回避)型の赤ちゃんは、母親の退室時には嫌がるそぶりを見せず、泣き出してもストレンジャーがなだめるとすぐ落ち着きます。

また、母親が入室しても目を反らしたり、明らかに避けようとしたりするなど、母親との相互作用の回避や母親を無視する行動が見られます。

母親の回避と接触を繰り返すことがある他、母親が抱っこしても抱きつこうとせず、床に降ろされても嫌がるそぶりを見せないことも特徴です。

母親と一緒にいても注意を払うことはほぼなく、探索行動も多くありません。

不安定(両価)型

不安定(両価)型の赤ちゃんは、母親の退室時に強い不安や混乱を示し、ストレンジャーがなだめても容易には落ち着きません。

母親が入室すると、母親への接触を求めて激しく泣き叫びますが、自ら母親に近づこうとせず、母親が抱き上げようとすると叩くなどして抵抗を示します。

母親と一緒の場面では受動的な行動が多く、自発的に探索行動を行う様子もあまり見られません。

無秩序(無方向)型

無秩序(無方向)型の赤ちゃんは、近接と回避という矛盾した行動を同時に示します。

  • 目をそらしながら母親に近づこうとする
  • 自ら母親に接近した後に、母親を避けようとする
  • 母親にしがみついたかと思えば床に倒れこむ
  • 脈絡なく激しく泣き始めるなど
  • 場違いな表情や行動を見せる
  • うつろな表情で停止する
  • 母親におびえるそぶりを見せる一方で、ストレンジャーに親和した行動を見せる

メインとソロモンは、被虐待児や親が精神疾患の赤ちゃんに無秩序(無方向)型の愛着が見られる傾向があるとしています。

愛着のタイプや愛着のタイプが形成される理由については、「愛着(アタッチメント)の意味とは?愛着形成とボウルビィの愛着理論」で詳しく解説しています。

まとめ

ストレンジシチュエーション法とは

エインスワースが開発した、赤ちゃんと母親のアタッチメントのタイプなどを明らかにする実験観察法

ストレンジシチュエーション法を用いた実験観察
  • 被験者は1歳未満の赤ちゃん
  • 赤ちゃんを奇異な状況に置き、母子場面、母親の入退室場面、ストレンジャーの入退室場面など8つの場面を設定し、赤ちゃんの行動を観察・記録する
  • 観察・記録の結果から愛着のタイプを分類
愛着の4つのタイプ
  • 安定型
  • 不安定(回避)型
  • 不安定(両価)型
  • 無秩序(無方向)型